短編小説 1週間のアルバム

医者から「残り1週間の命です」と言われたらアナタはどうやってその1週間を過ごしますか?

これはわずか7歳の我が子に起こった悲しい話・・・



優人(ユウト)、7歳
元気で活発、名前の通り優しい子。

4歳の時に高熱によって呼吸障害を起こし、何ヶ月か呼吸器をつけて生活をしていました。
しかし、6歳になる少し前、再び高熱による呼吸障害を起こしてしまいました。
3月の幼稚園の卒園式、4月の小学校の入学式に出席する事が出来ず、病院で闘病生活を余儀なくされていました。


5月5日『こどもの日』
優人はその日に向けて折り紙で兜や鯉のぼりなどを作っていました。
小さな手で一生懸命作る姿に私は喜びを感じました。


そして、5月3日から『母の日』まで医者から一時帰宅の許可を得て、優人の負担にならない程度に家族で出掛ける事にしました。

優人の要望に応え、幼稚園や小学校、水族館や動物園。今まで行きたくても行けなかった場所に行く事にしました。

優人はその1日1日を永遠の思い出として、手作りの『アルバム』を作りました。
感想を書いて、絵を描いて、パンフレットの写真を切り張りして。
練習したばかりのひらがなやカタカナ、少しだけ漢字を使用して。

出来上がったアルバムを「ママ、見て」と言って笑顔で見せてくれる。
その姿を見て、優人の成長をしっかりと感じた。



けれど、10日の夜
優人の病状が悪化、病院へ救急搬送された。
優人に残された時間があと僅かな事は知っていた。
長くても1年、短くて1週間・・・。
私も夫もその事は覚悟していた。



11日の夜
優人は短い人生の幕を閉じた。

夜が明けても優人は起きてくれない。「ママ」って、「パパ」って言ってくれない。
私達の楽しみが一瞬で消えてしまった。



優人の病室を片づけていると夫が引き出しの中から1枚の画用紙を見つけ、私に手渡した。
それは優人が書いた母の日のプレゼントだった。
私と夫は優人が寝ていたベッドに座り、筒状に束ねられた画用紙を広げた。

そこには
赤い鉛筆でしっかりと描かれた「ママ、パパ大すき」という文字と、優人の夢だった家族3人で遊園地で遊んでいる絵が描かれていた。
涙が止まらなかった。
辛い思いをしていても辛い顔は絶対に見せず、ずっと笑顔でいてくれた。
私達はあの子を幸せにしてあげられただろうか・・・。


私達が病院から出る時、医者の先生と看護師が私達に声を掛けてくれた。

私達は不安だった。
入院中、優人はどんな話を先生達にしていたのだろうか。
どんな悩みを抱えていたのだろうか。

先生達から返ってきたのは私達が想像もしていなかった言葉だった。

「僕は幸せだよ」

優人はいつも私と夫の自慢話をしていた。
パパとママはいつも仲良しで、パパもママも優しくて、僕を怒った事なんか1度もないの。

優人は笑顔で話していたらしい。

そして、あのプレゼントは、優人の病状が悪化する前、一時帰宅よりも前に作り始めたモノだった。
優人の夢と気持ちが詰まった最期の贈り物。
私と夫はこの最期の贈り物を写真に撮り、プリントアウトし、1週間のアルバムの最後の1日を作成した。


最愛なる優人
あなたは私達2人の自慢の一人息子です。
どんな状況におかれても諦める事なく、笑顔で毎日過ごしていましたね。
優人と過ごした7年は一生忘れることはないと思っています。
7年間、優人を幸せに出来て良かった。
私達も、優人が生まれてきてくれて、ここまで立派に成長してくれて、本当に良かったし、凄く幸せでした。
これからは、お空の上で見守っていてね。

優人、大好きだよ





期限内に完成しました♪
数日前から完成していたものの、更新するのを忘れてました(笑)
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