Pallet 第0話 Last White

この小説は祝900人も兼ねています。

【登場人物】
橘 愛里(たちばな あいり)
大野 歩(おおの あゆむ)
三条 千夏(さんじょう ちなつ)
※みんな高校2年生の設定です。

では、最後で待っています。最後まで読んで下さい!!




私は今、悩んでいる。
絵を描いたり、写真を撮ったりする事が好きな私は高校で美術部に所属している。
「はぁー、次は何を描こう・・・」

季節は冬、師走時のこと。
学校では、至る所でカップルがクリスマスの予定を立てていたが、生憎私には彼氏はいない。
5年間、片思い中の人はいるが、告白をする勇気が私にはない。

「愛里は凄いねぇ。カップルだらけのこの教室で食事が出来るなんて」
私の友達、千夏。勉強も出来てスポーツ万能、文武両道の彼女はクラスの人気者。
「千夏こそ、彼氏さんと一緒にお弁当食べれば?」
「あぁ、森先輩とは別れた」


「え!!別れちゃったの!」
「うん」
そんなあっさりと・・・。
「愛里こそ、あれから進展は?」
「・・・ない」
千夏とは小学校からの親友で、私が中学から片思いをしている事を知っている。
「まぁ、良い方向に行く事だけを願ってるよ」
「ありがとう、千夏」




そして、その放課後
次に描くモノを考えながら私は校舎内を歩いていた。
クリスマスが近い為か、いつもは騒がしい校舎が最近は静まり返っている。

「あれ、橘さん?」
声がした方に振り向くと、そこには同じクラスで剣道部の大野君がいた。
そして彼は、私が5年間ずっと想い続けている人でもある。
「大野君、まだ学校に居たんだ。もう帰ったと思ってた」
同じクラスだけど、気になるだけで緊張してあまり話せない。それが悔しい・・・。


絵のデザインを探している事を話すと、彼は「稽古場に来て」と言ってくれた。
今日は部活がないのに、近いうちに先輩との試合がある為一人で稽古をするらしい。

「冬なのに裸足って凄いね」
剣道部にとって裸足で稽古をするのは当たり前だが、文化部の私からすると考えられないことだ。
大野君の稽古の邪魔にはならないように私は稽古場の隅でスケッチを始めた。
響き渡る竹刀の音。
鳴り響く足音。


稽古を終え、胴着を外しながら彼は私に話しかけた。
「クリスマスの日に試合があるんだ、良かったら見に来て」
「部外者でも良いなら、見てみたい」
「ありがとう。頑張るよ」
軽く微笑んだ彼の笑顔に西日が差す。


私達は途中まで一緒に帰った。
「じゃあ、また明日ね」
そう言って私は別れようとした。
「あの、橘さん」
呼び止められ、私は振りかえった。
「橘さんって、今付き合っている人いる?」
急な質問でビックリした。
「・・・いないよ」
「じゃあ、今度の試合で俺が先輩から一本取ったら・・・、俺と付き合って下さい!」
嬉しかった。5年間もずっと想っていて、やっと聞けた彼の気持ち。
でも、急すぎて返事に困った。


あの時、なんて言ったんだろう、私・・・


数日後

剣道場で試合が始まった。
面を付ける前に、彼は私の方を見て笑ってくれた。
きっと大丈夫だろう。

審判の『始め』の合図で彼と先輩の試合が始まった。
千夏と一緒に彼を応援した。
相手の先輩はこの高校で一番強い先輩だ。大野君の隙を見て的確に打ち込んでくる。

結果は、先輩の判定勝ち。大野君は約束の一本勝ちが果たせなかった。
彼の顔は悔しさでいっぱいだった。
そんな彼に私は掛ける言葉が見つからなかった。

タオルを持ち、剣道場を後にする大野君を追いかけた。
「大野君、お疲れ様」
「あぁ、ありがとう。でも、ごめんね。せっかく見に来てくれたのに負けちゃって。約束も果たせなくて・・・」
下を向いたまま顔を上げてくれない彼の姿を見て、私は無意識に口を開いた。
「約束なんて、どうでも良いよ」
「え?」
「だって、あんなにもカッコイイ大野君を見て付き合わないなんてもったいないよ!」
凄く恥ずかしかったけど、やっと言えた私の気持ち。
真っ白だった思い出にやっと色が付けられた。
今この瞬間、私の5年間の片想いにピリオドが打たれた。



翌日
千夏に大野君の事を話すと、千夏は笑顔で祝福してくれた。
「おめでとう、愛里!!やっと5年間の片想いが終わったのかぁ。お互いよく我慢してたねぇ」

ん?お互い?
「えっ、千夏、大野君が私を5年間も好きだったこと知ってたの!?」
「うん、大野君から数日前に相談されててね。勇気を出して愛里に告白してみたらってアドバイスしたんだ」

今さら知った真実。
それでも後悔はしていない。お互いの気持ちをしっかりと伝える事が出来たのだから・・・

「次は千夏の番だね」
「そうだねぇ」
「良い人に巡り会える事を願ってるよ」
「ありがとう、愛里」




読んで頂きありがとうございました!!
クリスマスに間に合わなかったけど、どうにか書き終えました。

この3人は今後も出てくると思います。
お楽しみに♪
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