Pallet 第0.5話 小説 愛の色

『いただきまーす』
カップルだらけの教室で食べるお弁当。
別に気にはしないが・・・。
「三条さん、ごめんね。俺まで居て。今まで二人でお弁当食べていたのに」
「良いよ。気にしてないから」

最近付き合い始めた「愛里」と「大野君」
5年間もお互い片想いが続き、やっとピリオドが打たれた。
「千夏、今日の放課後空いてる?」
「うん。空いてるよ」
「じゃあ、アイス食べよう!!」
季節は冬。寒い日が続いているのに『アイス』ですか・・・。
「良いけど。まだ冬だよ」
寒くないの?と聞きたかったが・・・
「店内は暖かいから大丈夫♪」
と言われる事がすぐに予想出来た。
「はいはい、分かりました」


放課後、約束通りアイスを食べに行った。
コーンアイスとスプーンを持ち、幸せそうに食べる愛里を見ていると寒さも忘れる。
「愛里は凄いね」
「ん?何が?」
「どんな時でも『幸せオーラ』で全てを包み込んじゃうから、凄いなぁって」
愛里はアイスを食べるのを止め、私の眼をじっと見た。
「千夏も凄いと思うよ」
「どこが?」
「どんな人にでも笑顔で、親切に、真剣に向き合ってくれる所。それが千夏の魅力だと思うよ」
公の場で凄い一言を頂いた。
「それに、千夏が居なかったら私達付き合ってないもん」
「ホントだよ。世話のかかるカップルですこと」

愛里と一緒にいるから私はずっと幸せだった。
この子のおかげで今の私がここにいる。



翌日、同じクラスの男子生徒から「数学のノート貸して」と言われた。
断る理由は無かったので普通に貸してあげた。

昼休み、貸していたノートが返ってきた。
「ノート、ありがとう。凄く見やすかった」
ノートと一緒にチョコも貰った。
「岩田君、優しいね。良かったね、千夏」
「そうだね。愛里も食べる?」

岩田 和弥(イワタ カズヤ)くん。
大野君の前の席の男子。
面倒見が良さそうな生徒で、どんな生徒にも優しい。


「男子版の千夏だね」
「そう?」
他人から見た私はこう言う風に見えるんだ・・・。


翌日の昼休み
今日から、岩田君も加えて4人でお弁当を食べる事になった。
もともとは大野君と岩田君とで食べていたが、愛里と大野君が付き合い、3人お弁当を食べていたので岩田君も誘ったのだ。
この事をきっかけに、大野君とも、岩田君とも話す機会が増えた。



時は流れ、季節は春。
高校3年生の春が始まった。
毎年恒例、クラス表を愛里と一緒に見ると、驚く事にクラスが替わっていなかった。もちろん、担任の先生も2年の時と同じ。
受験の関係で3年生の時はクラス替えが無いらしい。
「じゃあ、また4人とも同じクラスだね!」
「そうだね。また愛里と大野君のツーショットを毎日、いつでも見る事が出来て私も良かったよ♪」
笑いながらクラスへ行くと、大野君と岩田君が先に来ていた。
「おはよー」
「おはよう。また、よろしく」
「おはよう」
「おはよう。こちらこそよろしく」

暖かい日差しの中で、あまり変わらない新学期が始まった。



「三条さんって、今付き合ってる人いる?」
大野君からの衝撃の一言・・・。
「どうしたの大野君!愛里と何かあったの?」
「いや、何にも無いよ」
「そう、良かった。で、今は誰とも付き合ってないよ」
別の教室で授業をしていた愛里と岩田君が帰って来た。
「じゃあ、弁当食べるか」

何も変わらない毎日の昼休み。
急に変ってしまったのは、数日後の雨の日。

私は愛里と一緒に美術室で雨が弱まるのを待っていた。
「三条さん、少し良い?」
岩田君から呼ばれ廊下へ行くと、岩田君から1通の手紙を渡された。
「俺の気持ち。上手く伝わるかどうか分からないけど、読んだら感想聞かせて」
そう言って、岩田君は帰ってしまった。

雨も弱まってきたので、私達も帰ることにした。
愛里には手紙の事は言わず、普段通りに帰宅した。



『急に手紙を渡してすみませんでした。
どうしても伝えたい事があったので手紙を書きました。
三条さんや、橘さんには本当に感謝しています。
俺は・・・・・・』




翌日、私は岩田君を学校近くに公園に呼んだ。
「手紙、ありがとう。男の人から手紙を貰うの初めてだったから凄く緊張した」
「本当にごめん」
「良いの。で、読んだ感想だけど・・・」
岩田君の表情が不安でいっぱいになっていた。
「えっと・・・。私も岩田君と同じ・・・だと思う」
今までに感じた事の無い緊張感。これでしっかりと伝わるだろうか。
私まで不安になってきてしまった。

「本当に、こんな俺で良いの?」
「うん。私ももっと岩田君と一緒にいたいし、もっと岩田君のこと知りたい」
「じゃあ、改めまして、三条さん『俺と付き合って下さい』」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」


春は始まりの季節。
今日から私達の新しい日々が始まる。
不安な事ばかりだけど、きっと大丈夫だろう。そんな気がする。
今は無色かもしれないこの愛の色、これからどんな色になってくんだろう。
そもそも、『愛の色』って何色だろう?



「千夏!おめでとう!!」
「ありがとう!愛里!!」
翌日、愛里に岩田君との事を話すと、抱き付いて喜んでくれた。
「良い人に巡り会えたね。千夏」
「そうだね。愛里のおかげだね」
本当は、手紙を渡す前に、大野君と愛里に相談していたらしい。
そんな事は知らないまま。
私達4人の『愛の色』は、何色になるかな?





最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
愛里と歩(大野くん)の5年間の片思いの小説『Last White』の続編。
千夏と和弥(岩田くん)の一目惚れ?小説『愛の色』でした。

※追記には、和弥(岩田くん)が千夏に渡した手紙の続きが載せてあります。
そちらも読んでみて下さいね♪
∼和弥の手紙~

『急に手紙を渡してすみませんでした。
どうしても伝えたい事があったので手紙を書きました。
三条さんや、橘さんには本当に感謝しています。
俺は母を早くに亡くし、ずっと父と2人で暮らしていた為、女性の優しさを知りませんでした。
そんな俺に女性の優しさ、温かさ、安心感を教えてくれたのは三条さんと橘さんです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、俺にとってはとても大切なモノです。

最近、一緒に話す機会が増えて凄く嬉しいです。
これからも三条さんとは一緒に居たいのですが、迷惑ではないですか?
初めて話した時から、もっと話がしたいとか、三条さんの事をもっと知りたいと思っていました。
迷惑でなければ俺と付き合って下さい』
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